【ペット編】 vol.001 鳴き声に気をつけよう

動物好きの皆様 こんにちは。
飼い主から見るとペットは家族の一員ですが、他人から見ると…。
犬が吠えてうるさい!などと近所の人から文句を言われないか、不安に感じたことはありませんか?

 

(1)飼い主の義務
動物愛護法は、動物を適正に飼育して他人に迷惑をかけないように努めなさいと定めています。
他人にひどく迷惑をかけてしまうと「不法行為」として損害賠償請求を受ける場合があります。

 

(2)「受忍限度」を超えると慰謝料
 もちろん、動物の鳴き声が全て「不法行為」になるわけではありません。
人が生活する上では、お互いに多少の生活音は避けられませんよね。
動物の鳴き声に限らず、ピアノ、TV、オーディオなど…。
そこで、裁判所は、「受任限度(=我慢の限界)」を超えて迷惑がひどい場合だけを「不法行為(=違法)」として損害賠償請求を認めています。

 

「ひどい場合」って、どれくらい??
「損害賠償」って、幾らとられちゃうの???

 

(3)では、具体的な裁判例を見てみましょう
◆ケース1◆
・深夜早朝、連日、長時間、極めて異常な鳴き声
・再三の申し入れに応じず、適切な配慮をしなかった
・被害者は不眠状態が続いて神経衰弱状態になった
==>慰謝料30万円(横浜地裁S61.2.18)
◆ケース2◆
・鳴き声だけでなく、糞尿を放置してハエが発生
・防止するよう求めたが改善されず
==>慰謝料10万円(京都地裁H3.1.27)
◆ケース3◆
・閑静な住宅街で
・ほぼ連日、夜間または朝方にかけて
・5分~3時間にわたって鳴き続けた
==>慰謝料30万円(東京地裁H7.2.1)

 

(4)ポイント
裁判所は、
・ペットに愛情をもって接し
・決まった時間に食事を与え
・運動をさせ
・場合によっては専門家に訓練を依頼すること
等が必要だと言っています。
逆に言うと、きちんと愛情をもって育て、しつけをしていれば大丈夫なんですね。
ペットと共に、素敵な人生を楽しみましょう!

 

監修:弁護士 喜多英博
(横浜弁護士会所属)
日本大通り法律事務所
横浜市中区日本大通18
KRCビルディング5F